Mr.ディープの不動産コラム

坂の途中に住むのは危険!災害被害だけでなく 運気も下降する「傾斜地」の地相とは?

ここ数年、水害による被害が増えています。

テレビなどで「これまでに経験したことのない大雨」とか「昨夜だけで7月1ヶ月分の雨量」などという言葉が多く聞かれるようになり、私たちもそのような言葉に驚かなくなりつつあります。

つまり、水害や土砂災害が頻繁におこる可能性が高くなった、ということです。

近くの川の堤防の決壊で、住宅が2階まで水没したり、土砂崩れや土石流によって住宅が流されるといった被害は常に起こる可能性があります。

「真の不動産価値」を追い求める不動産ソムリエであるMr.ディープは、これらの災害から自分たちの身を守るためには「地相」が重要だと訴えています。その土地の歴史である地歴、その土地の地形、周辺の環境やその他の条件からその土地の「地相」を鑑定します。

そもそも土地も自然の一部です。

私たちの手相や人相と同じように、その土地に与えられた運命を注意深く見つめることが、このような自然災害から私たちの命を守ることができるのではないでしょうか。

「低い土地」「傾斜地」の水害のリスクを考える

2016年(平成28年)8月、観測史上初めて東北地方の太平洋側に台風が上陸、岩手県では多くの河川が氾濫し、住宅が流されるなど多数の被害が発生しました。

川の近くや沼のそばは、常に氾濫の恐れがあります。とくに土地の低いところで、海、川、沼に近いところは常に水害のリスクがあると考えておいたほうが良いと思います。2011年(平成23年)の東日本大地震でも、海から離れていないところや、低い土地では甚大な津波被害が発生しました。

2014年(平成25年)8月の広島県広島市北部の安佐北区、安佐南区におこった豪雨による土砂崩れ・土石流で多くの住宅が流され、住人が生き埋めになるなどの大きな被害が出ました。

これは、山を削ったところにつくった住宅地だったことが被害が大きくなった原因だといわれています。
さらに、2021年(令和3年)7月、静岡県熱海市伊豆山(いずさん)で発生した土石流災害は多くの住宅が流され、死者:26名、行方不明者1名(2021年9月現在)という甚大な被害を出しました。

この土石流は梅雨前線によって集中的に降り続いた雨による自然災害というよりも、逢初川の上流部 標高約390m地点で発生した盛り土の崩壊が土石流化したことが原因とされており、人災ではないかともいわれています。

亡くなられた方やご遺族、ご友人にとっては、悔やんでも悔やみきれない出来事だったことでしょう。

「海、川、沼などに近い低地」「坂の途中である傾斜地」は、今後も続くと思われる水害や地震などの被害を考えるとリスクが大きすぎます。

Mr.ディープは、まずこのような場所には住むべきではないと強く訴えたいと思います。

「傾斜地」に住んではいけない

前述しましたように、山の麓や傾斜地に住んでいると、洪水やがけ崩れの被害にあいやすくなります。居住地としては地相の観点からは絶対におすすめしません。

地相は、水の流れや土地の形状によって、その土地の歴史である「地歴」などから考える「真の不動産価値」です。

日本では古くから山の麓や傾斜地に住居をつくり、集落を形成してきました。日本の森林面積は国土の約7割といわれていますし、林業や農業を営む上で自然の恵みを受けるメリットも大きかったと思われます。

「先祖代々、この場所に住んでいるけど、これまで土砂崩れもなかったから大丈夫」と考えている人も多いと思います。

私たち人間の一生よりも、自然の営みの時間のスパンは長いのです。

Mr.ディープのいう「地歴」とは、過去10年、20年の歴史のことではなく、数百年、数千年、または人類が生活する前からの土地の歴史のことを指しています。ですので、過去数百年間、土砂崩れがなかった場所にも土砂崩れの可能性は十分にあるのです。

たとえば、その地域の不動産会社であっても、管理している土地の地歴については、過去10年くらいならわかるけども、その前は知らないということがとても多いのです。

さらに、ここ数年の気象変化は、地球温暖化の影響ともいわれており、「経験したことのない降水量」が頻繁に発生しています。

このように、土地の履歴である「地歴」のスパン、そして、ここ数年の気象変化をかけ合わせると、坂の途中である「傾斜地」に住むことはリスクであり、人間が住んではいけない、Mr.ディープはそう考えています。

同じ地名でも「地相」が違う

山間の地域だけでなく、都会でも水害にあうことがあります。

記憶に新しいところであれば、2019年(令和元年)10月に日本列島を直撃した台風19号は、記録的な降雨量で多くの河川の氾濫・決壊をもたらし広範囲なエリアに甚大な被害をもたらしました。首都圏も直撃し、多摩川の氾濫によって二子玉川駅周辺や川崎市高津区などで浸水が発生し、大きな被害となりました。

実は、多摩川流域はこれまでに多くの水害が発生している地域なのです。

いまから約50年前、1974年(昭和49年)9月、台風16号により多摩川の堤防が決壊し、狛江市の民家19戸が流出しました。(この被害を元にしたTBSドラマ「岸辺のアルバム」は名作でしたね)

さらに、1910年(明治43年)と1917年(大正6年)の2度にわたって多摩川流域に大きな被害が発生しました。(関東の大水害と呼ばれています)1910年の水害では関東地方全体では死者769人、行方不明者78人、そして家屋が全壊または流出した数は約5000戸を数える大惨事となり、東京だけでも150万人が被災したそうです。

さらに、1896年(明治29年)、1875年(明治8年)にも当時の新聞で多摩川の氾濫と被害について報道されていました。

つまり、多摩川流域に住むということは、常に氾濫と浸水の被害のリスクを抱えて生きていく、ということなのではないでしょうか。

多摩川の近くの川の周辺は土地が低いのですが、すぐ先が高台になっています。その高台とは、田園調布です。田園調布2丁目、3丁目、4丁目あたりになります。地図上では多摩川の近くなのですが、高台なので多摩川の水害の被害にあいません。

ところが、田園調布5丁目や玉堤というところは水害の被害にあいました。同じ田園調布でも、一方は水害のリスクがあるということです。同じ町名でも地相は異なりますから、その土地、その土地で地相は大きく異なります。

ハザードマップと地相は違う

国土交通省や国土地理院、自治体が発行するハザードマップというのがありますが、このハザードマップと地相は違います。

ハザードマップは「その地域の土地の成り立ちや災害の素因となる地形・地盤の特徴、過去の災害履歴、避難場所・避難経路、土地条件図、火山土地条件図、都市圏活断層図、沿岸海域土地条件図など」から浸水や土砂崩れのリスクを表示しています。

ただ、ハザードマップは包括的なリスクを示すものですが、Mr.ディープの考える地相は、その土地の歴史である地歴や、場所の因果関係などを調べ、そこに住む人が幸せな人生を送っていただけるように、その土地の運命をピンポイントで調べるものです。

たとえば、熱海伊豆山の土石流の件も、まさか遠く離れた盛り土が引き金になるとは誰も想像できなかったと思います。こういった因果関係を科学的に検証することは、ハザードマップからは見えてきません。

あの盛り土の所有者も、開発を請け負った業者のことも私は知っています。Mr.ディープのところにはそういった不動産の情報もどんどん入ってきますから、その土地の価値を見極めるときに、周辺の宅地造成の情報などは全て把握して判断します。その土地を調べてくれと言われたら、あらゆる角度から鑑みる地相をもとにアドバイスしています。

さて、海に近いところでも地相が良いところもあります。神奈川県でいえば、逗子・葉山といった地域も海に面しており、複雑な地形に住宅がたくさんあります。でも、逗子・葉山は非常に地相の良い土地が多いと思います。

水害や土砂災害の被害が少ないというだけでなく、住宅地として、住む人を幸せにする地相が多いと考えられます。

ある人気芸能人が逗子から鎌倉に引っ越しました。その芸能人は、鎌倉に新国立競技場と同じくらいの広さの土地を購入し家を建てました。

鎌倉も良い地相が多いのですが、その購入した土地の地相があまり良くないものでした。

その芸能人が鎌倉の新居に引っ越した途端、奥様がお亡くなりになり、息子さんが逮捕され、ご自身もテレビから姿を消してしまいました。

一概に、海に近い、川に近いといっても、良い地相の土地はたくさんあります。

この芸能人は、地相の良い逗子の自宅にそのまま住んでいれば、今日もテレビでお顔を拝見していただろうと思います。

高級住宅地「代官山・青葉台」

地名のブランドによって不動産の価値が決まりますが、やはり、先ほどの田園調布と同じように、地相によってそこに住む人の人生が大きく変わってしまうことがあります。

東京の代官山・青葉台といった場所は、誰もが憧れる素敵な場所です。ハイセンスなショップが軒を連ねる流行の発信地であり高級住宅街といわれています。

しかし、高級住宅地といっても代官山や青葉台にも良い地相、悪い地相があります。

目黒区青葉台は、目黒川に向かう南西斜面地に形成される高級住宅街です。

この青葉台には国民的な歌手の豪邸がありました。人気絶頂でありながら、プライベートでは苦難も多く、病気により若くしてお亡くなりになりました。

この家は崖の途中に建てられていました。地相としては非常に悪い条件に当たります。

一概にブランド価値の高い高級住宅地といっても、地相の良い場所、悪い場所があります。
坂の途中である「傾斜地」は避けるべきですが、少し離れただけで良い地相の土地もありますし、フラットな場所であっても、その家と隣の家では地相が異なるケースもたくさんあります。

ですので、高級住宅地の土地を購入するときは、まず、その土地の地相をしっかりと調べることが、未来の運命を大きく左右するとMr.ディープは考えています。

悲劇を繰り返さないために、いま、見直したいこと

おせっかいかも知れませんが、Mr.ディープは皆さんに幸せな人生を過ごして欲しいと考えています。

住む家の場所さえ変われば運が変わります。ご本人の努力がしっかりと報われ、毎日を穏やかに過ごすためには、地相が大切だと考えています。先祖代々から住んでいる土地を移るということは、難しいことかも知れませんが、もし、できることなら、地相の良い場所に引っ越していただいた方が良いと思います。

自分の身は自分で守るしかありません。

そこに住むということは、あなたの想像以上に、その土地の地相があなたの人生に影響しているということを知っておいて欲しいのです。

坂の途中である「傾斜地」に住まない

まず、坂の途中に住まないことです。坂の傾斜地を造成した場所も同様です。

近隣で何か工事が始まった時には行政に相談する

住んでいる場所の近隣で開発工事が始まり、土砂の土地や盛り土などを行なっているとそのままにせず、行政に相談しましょう。また、宅地造成などの情報も豊富なMr.ディープにご相談ください。

住んでいる場所の地相を調べる

これが一番安心できることだと思います。Mr.ディープにお気軽にご相談ください。

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