Mr.ディープの不動産コラム

私がタワーマンションをおすすめしない7つの理由

タワーマンションとは、通常のマンションと比べて際立って高い住居用高層建築物の俗称である超高層マンションの呼称です。外観が見上げるようなタワーのようなマンションであることから、タワーマンションまたはタワマンなどと呼ばれています。

日本では超高層マンションに対する法的な定義はありませんが、「マンション学事典」(民事法研究会)によると建築基準法第20条「高さが58mを超える建築物」と同義としています。

都心ではタワーマンションが乱立しており、地方都市においても駅近であるとか、ターミナル駅に直結したタワーマンションが大人気です。

眺望の良さや、立地面積の有効活用といった点でも、タワーマンションは多くの世帯が広い間取りで住めるというメリットもあり、また繁華街の徒歩圏内のタワーマンションに住むことが一つのステータスのように思っている方も多いと思います。

しかし、Mr.ディープは、このタワーマンションについて警鐘を鳴らしています。
「タワーマンションに住むのはダメだよ」
その理由はいったいなんでしょう?詳しくご紹介いたします。

1. 子どもの健やかな成長を阻む

高層階に住んでいると、子どもたちが外遊びをしなくなります。
国民生活センターの報告でも、高層階に住む子どもは室内にこもりがちになり、人とのコミュニケーションがとれない傾向がある、と報告されています。

私のお客さまで、お子さんのためにと思いタワーマンションを購入された方がいらっしゃいます。しばらくしてから連絡がありました。

お子さんが家の中に引きこもって元気がないので引越しをしたいというのです。

子どもは地面に近いところのびのび暮らすのが一番いいのです。幼いことから高層階に住んでいると、高いところが怖いと感じなくなります。また、学力低下や自立が遅くなるという人もいます。

庭がないので、子どもたちが外に出ることを好まなくなる。その結果、心身ともに豊かに成長するという機会を失ってしまい、それは成長期の子どもにとってあまり良くないと言えるでしょう。

2. あまり語られない健康被害

さらに同じく国民生活センターの報告では、高層階で生活する大人も高血圧と貧血、頭痛を肩こりの症状が出る人が多いと報告されています。

これは気圧の問題もあると思いますが、やはり影響があるのは近くに庭や木がないということではないでしょうか。

地面からの距離があることで、生活空間に緑がないということも影響していると思います。植物の光合成による呼吸が行き届かない、つまり自然の恵みから離れて生活することで、豊かな酸素が得られないということもあるのではないでしょうか。

3. 購入してから驚く固定資産税

これはあまり知られていないことなので声を大にして言いたいのですが、一般の人がタワーマンションを買ってからショックを受けるのは、固定資産税です。

2017年(平成29年)4月、政府はタワーマンション高層階の固定資産税と相続税を増税しました。

これまで一部の富裕層が相続税の節税対策として積極的に購入していたタワーマンションの高層階の部屋からより多くの税金を取ろうというものでしょう。

例えば、同じ間取り、同じ広さであっても3階の人と47階の人では固定資産税の差は約3倍と言われています。3割ではありません。3倍です。

これは、契約する前に知らないケースがあり、購入してから固定資産税の請求が来てびっくりする人が多いと聞きます。

4. タワーマンションでは流産が多い?!

さらに残念なお知らせがあります。
マンションの6階以上に住んでいる人は、その階以下に住んでいる人に比べて、めまいや偏頭痛が起きやすい、子どもの発達や自立が遅れる、暮らしているだけで常に揺れている感じがする、長い時間家にいる主婦の飲酒率が高いといったことに加え、なんと流産が多いという報告があります。

1994年(平成6年)の東海大学医学部逢坂文夫氏の論文では、
「高層階に住む33歳以上の女性の流産率は約4割」
と発表されました。

10階以上に住んでいる女性は、1〜2階に住む人に比べて流産の危険性が約3倍もあるというのです。
また、6階以上に住む妊婦さんの4人に1人は流産の経験があり、5人に1人が流・死産しており、10階以上となると2人に1人が流産しているというのです。

5. イギリスでは1970年から法律がある

イギリスでは、子どもがいる家庭は4階以上に住んではいけない、という法律があります。

1970年に「高層住宅に住むことは子どもの健全な発育を阻害する」という調査報告が出て以来、イギリスでは高層マンションはほとんど造られていません。

先進国のなかでも、タワー型マンションを造り続けているのは日本だけとも言えるでしょう。
(地震のない中国などではまた別の理由があると思います)

高層階に住むことによる健康面での悪影響を示唆するデータは、さらに今後も出てくるかもしれません。

6. 地震にあってみればわかる

高層マンションの免震構造は揺れることによって、建物の崩壊を防いでいます。

揺れれば揺れるほど、建物が壊れないからという理由なので、それはとても安心なのですが、その揺れというのは想像を絶するほどで、大きな揺れと家具が移動する様子を体感した方は、とても生きた心地がしないといいます。

私は3.11のとき、パークハイアットである会合のパーティに参加していました。

47階だったので、それはそれはひどい揺れを経験したのですが、それよりもエレベーターが止まってしまったことです。階段を降りていったのですが、47階で1時間以上かかりました。

地震だけならまだしも、もし、火災が出た場合は、孤立してしまうというリスクもあります。映画「タワーリング・インフェルノ」のようなことが現実に起こり得るのです。

免震構造による大きな揺れ、さらに二次災害として火災が起こった場合、命の危険とも隣り合わせになってしまうというリスクを犯してまで住みたいか、ということです。

7. いずれ、その価値を失う

東京・月島あたりのタワーマンションは入居率50%です。
浜離宮と東京タワー、レインボーブリッジも一望できるんですが、賃貸もつかないといいます。投資目的も購入した人も買い手がいないといいます。

10年後、20年後はタワーマンションはスラム化すると思います。
とくに埋立地に立てたタワーマンションは液状化現象によって建物自体が傾きます。

たとえば、新潟・湯沢のリゾートマンション。あれはバブルの頃に乱立しましたが、今どうなっているかご存知ですか?

当時3,000万円だったマンションが10万円で販売されています。

その秘密は固定資産税です。オーナーは固定資産税や管理費がかかるので、どんなに価値が下がっても所有していいるだけでお金がかかってしまうからです。

さらに、静岡・熱海の別荘もたくさん安売りされています。植木代、温泉代がかかります。固定資産税、管理費にお金がかかるからです。意味のないものを所有しても、価値がないものに固定資産税、管理費を払い続けるという現実が待っています。

タワーマンションは固定資産税が高いですから、この比ではありません。たとえ、投資目的であっても私はおすすめしません。

このようなことが、東京のタワーマンションでも起こってくるのではないでしょうか。

Mr.ディープは、タワーマンションに住むことはおすすめしません。

私は以前、韓国にある100階建の分譲マンションに行ったことがありますが、そこにいるだけで気持ち悪くなりました。数分いただけでその調子ですから、こんなところに住んでいたら病気になると思いました。

やはり、地面から距離が遠くなればなるほど、リスクが多く、メリットはないと思います。

地面に対して極端に離れた場所は、人間にとって住むべき環境ではなく、健康を害する、子どもの成長に良くない、流産が多いといった「高層マンション症候群」という健康被害を無視してはならないと考えています。

ビバリーヒルズや田園調布も2階までとなっているのは、私たちにとって豊かな暮らしとは何か、本能的に理解しているということではないでしょうか。

タワーマンション以外にも、さらに、こういう話題を教えて欲しい、こういう土地はどうなの?
という質問はこちらからお寄せください。

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